公開: 2019年8月8日
更新: 2019年7月xx日
1970年代の中頃に、米国のスタンフォード大学の研究者たちによって計画された、幼稚園児を対象とした実験です。この実験では、幼児の前に置かれた皿の上のお菓子を、実験の監督をしている人がいなくなったら、直ぐに食べても良いのですが、部屋を出て行った実験の監督者が戻ってくるまで、15分ほど我慢をすれば、ご褒美に追加のお菓子をもらえことが説明されて、監督者は部屋を出ます。監督者が部屋を出ると、多くの幼児はすぐにお菓子を食べてしまいましたが、中には戻ってくるまで我慢をして、ご褒美のお菓子をもらった幼児もいました。ご褒美のお菓子をもらった子は、大体、全体の3分の1でした。
この実験の対象となった約200人の子供たちは、その実験の後も、どのような学校に進み、どのような勉強をして、どのような仕事に就き、そしてどのような人と結婚をして、どのような家庭を作ったのかなどを継続的に調べられました。その結果、その後の人生で、成功したと言える人々の多くが、実験で「お菓子を食べずに、ご褒美をもらった」子供たちに多かったことが分かりました。このことは、「忍耐を身につけて、長期的な視野で、今何をすべきか」を考えられる能力のある子供たちの方が、そうでない子供たちよりも、将来、人生に成功する可能性が高いと言う結論に達しました。
ウォルター・ミッシェル、「マシュマロ・テスト」(2017年)、早川書房